すでに11月を迎え、今年も残すところ2ヶ月足らずだ。早い。つい先日2011年になったような気がするのに、あっという間に10ヶ月以上が経過した。例によって無為徒食の10ヶ月であった。どうして、かくも時間の過ぎ去るスピードは速いのだ。どこかにスピード調整のつまみはないものか。
意識される時間の早さについては、「ジャネーの法則(Janet's law)」が有名だ。いわゆる「時間の心理的長さ」に関する経験則である。『ミネルヴァ心理学辞典』によると、「ジャネーの法則」は次のように述べられている。
生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する。
この法則は、もともとは哲学者ポール・ジャネー(Paul Janet: 1823-1899)が語ったものを、その甥にあたる心理学者のピエール・ジャネー(Pierre Janet: 1859-1947)が著書『記憶の進化と時間観念』(1928年)の中で紹介したものらしい。
この「ジャネーの法則」によれば、年齢の逆数(1/x)を単純に採用することになる。心理的な時間の長さが「年齢の逆数に比例」するなら、10の逆数(1/10)は0.1、20の逆数(1/20)は0.05、40の逆数(1/40)は0.025、のようになるため、20歳のときの時間の流れ方は10歳のときに比べて2倍、40歳のときの時間の流れ方はやはり10歳のときに比べて4倍のスピードとなる。これが本来の「ジャネーの法則」である。
仮に現在、ぼくが48歳だとしよう。6歳のときは幼稚園児、12歳のときは小学校6年生、24歳のときは高校の教員をしながら、夜はアマチュア演劇や詩の朗読に入り浸っていた。さて、48歳のぼくが感じている時間の流れの速さは、「ジャネーの法則」に従えば、幼稚園児のときの8倍、小学6年生のときの4倍、24歳のときの2倍のスピードということになる。
ぼくとしては、その尺度は何となく甘く見積もりすぎている気がする。いかがなものだろう。実はもっと心理的時間の尺度はシビアではないのか。そこでぼくは、「ジャネーの法則」改訂版という尺度を採用することにしている。詳しくは、明日書くことにしよう。
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